気分障害と鍼灸

仙台市青葉区立町、仙台メディアテーク徒歩1分にある女性専門の鍼灸院「愈鍼アネックス」の小泉です。

あせり、イライラ、急に涙が出る、気分の落ち込みが出ていませんか?

特に春はこういった症状が出やすい時期です。

というのも春は肝の季節と言われ、

「肝は将軍の官、謀慮(ぼうりょ)これより出づ」(「素問」霊蘭秘典論篇第八)。

謀慮とは、積極的に考えを巡らし、用意周到な計画を練るという意味で、集中できる力のこととあります。つまり、いろいろなことを頭で考えられるのは肝がうまく働いているからというわけです。

肝がうまく働かなくなると集中力がなくなるために考えがまとまらず、気持ちばかり焦ってしまいイライラして怒り出し、感情のコントロールも上手にできなくなります。

また、肝は「血(けつ)」と深い関わりがあり、月経や外傷の出血によって体内を循環する血が不足すると、目のかすみ、疲れやすい、顔色が悪いなどの症状につながります。

ですので、毎月生理として出血のある女性は血が少なくなりやすいので、これらの症状が出やすいのです。

肝に支配されているのは目の他に、筋肉、筋膜、爪です。

肝の血が少なくなると、筋肉、筋膜に行き渡らなくなるので、ひきつったりします。春の腰痛や肩こりも肝の影響を受けていると言ってよいでしょう。

爪も肝の影響を受けているので、爪が薄くなる、割れる、爪の縦すじが目立つなどがある方も肝にある血が少なくなっていると言われます。特に爪は、毎日少しづつしか伸びませんので、爪全体に症状が現れているときは長期に渡って血が少なくなっていると考えられます。

東洋医学でいう「血」は、私たちの身体に流れている「血」と同じようですが、血液検査等がなかった時代の医学ですから、病院で血液検査を受けても異常はほとんど出ませんので、その点は分けて考えていただくとよいでしょう。

気分障害の原因も現代的に言えばストレス、栄養不足など様々言われると思います。

東洋医学的には、冬にしっかり休んでおくこと。冬は日照時間が短くなります。明るいうちに活動を終わらせる。現代に生きている私たちが一番難しいところではありますが、休みの日だけでも意識をしていただきたいところです。(自分にも言い聞かせる意味も込めて(^^;)

春になったら、散歩など少し軽い運動を始めると発散といって気が巡るようにします。できれば午前中、少し息が弾むくらいがよいでしょう。運動が億劫だ。。。という方はゆっくりと深呼吸をする時間を5分行ってもよいと思います。

現代人は身体を動かす機会が減り、目を酷使し頭ばかりが働いて発散がうまくいっていません。やり初めは何も変わらないかもしれませんが、その日に溜まったものは(ストレスでも疲れでも)その日のうちにを心がけるとひどくはなりにくいと思います。

鍼灸治療のイメージで、なんの症状でも魔法のようになくなると思われがちですが、施術をしてお帰りいただいても、例えば睡眠時間が短かったり極端に栄養が偏っていたりするとなかなか症状が落ち着かないというのが施術者の本音です。。。

春の不調は冬の養生からというように、不調をきっかけにご自分の身体や心の声に耳を傾けてみませんか。

 

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